関節リウマチを発症し薬剤が導入され、症状はほぼなくなった状態の患者さんでは、どういった薬剤治療が推奨されているのでしょうか。調べてみました。
【Clinical Question】
症状の落ち着いている関節リウマチの治療方針は?
【私的結論】
・関節リウマチの治療目標は「臨床症状の改善のみならず,関節破壊の抑制を介して長期予後の改善」である
・少なくとも、抗リウマチ薬のメトトレキサートは副作用がなければ中止することなく継続する。
・症状寛解すれば、NSAIDsやステロイドは漸減中止できる
・メトトレキサートを長期内服する場合は、同時に葉酸も補充することが推奨される
【一般的な治療方針】
・一般的な関節リウマチの治療アルゴリズムは以下の通りです
(引用:今日の臨床サポート「関節リウマチ」)
【治療経過のフォロー】
・最低でも3ヶ月に一度、臨床症状の経過を確認する。
・少量内服ステロイドは、関節炎のコントロールやX線変化の抑制効果があるが、副作用が多いことからメリットとデメリットを天秤にかけて、患者と相談した上で使用するか検討する
・長期予後の改善のために、抗リウマチ薬の中止が可能となることは少ない。NSAIDsやステロイドは漸減中止が検討される。(1*)(2*)(3*)
【その他、押さえておくべきこと】
・葉酸の内服をすることで、メトトレキサートの副作用である消化器症状と粘膜症状を減らすことができるというシステマティックレビューが存在する(4*)
【感想】
・関節リウマチの治療の目標は、臨床症状の寛解だけでなく、機能的な長期予後の改善、にも主眼をおくべきということを再認識しました。
・少量ステロイドの内服継続に関しては副作用を踏まえて、患者さんごとに相談することが必要になりそうです。
【参考文献】
2* 今日の診療サポート「関節リウマチ」
3* uptodate "General principles and overview of management of rheumatoid arthritis in adults"2021/5/1取得
4* Ortiz, Zulma, et al. "The efficacy of folic acid and folinic acid in reducing methotrexate gastrointestinal toxicity in rheumatoid arthritis. A metaanalysis of randomized controlled trials." The Journal of Rheumatology 25.1 (1998): 36-43.
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