在宅医療においては、非専門領域の疾患についても診療を行うことがままあり、その際には以下の2点が重要であると心がけています
確固たる情報ソースを用いて非専門医でも可能な診療をきっちり行う
非専門医の範疇を超えた際(増悪など)には速やかに専門医の協力を仰ぐ
今回は重症筋無力症について調べてまとめてみることにしました。
【Clinical Question】
症状の落ち着いた重症筋無力症のフォローアップ方針は?
【結論】
到達目標として「経口プレドニゾロン5mg/day以下で症状軽微」の状態を目指す(1*)
治療効果の評価やその後のフォローアップには、臨床症状の増悪/改善や神経学的所見の出現/消失を重視する(2*)
AchR抗体レベルは臨床的変化と相関が乏しいとも言われる(3*)ので、抗体レベルの上昇/低下だけを持って増悪/改善の判断をしないようにする
以下の要因により急性増悪し、呼吸筋麻痺から重篤な呼吸不全に至ることがある
感染症
手術
妊娠
特定の薬物療法(後述)
軽度の症状増悪に対しては、抗コリンエステラーゼ阻害薬やプレドニゾロンの開始/増量で対応し得る
【MGを悪化させる可能性のある薬物】
(2*)up to date: Overview of the treatment of myasthenia gravis , table 2
【参考文献】
(2*)up to date: Overview of the treatment of myasthenia gravis
(3*)Sanders, Donald B., et al. "Does change in acetylcholine receptor antibody level correlate with clinical change in myasthenia gravis?." Muscle & nerve 49.4 (2014): 483-486.
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